妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
 自宅へと帰った円香は彰史に促されて、一人ソファーに腰を下ろす。適度な疲労感となんとも言えない高揚感に包まれていて、座ると同時に小さな溜息がこぼれた。

 とてもとても贅沢で幸せな誕生日だった。本当に夢のような一日だった。

 円香はきっと今日のことを一生忘れないだろう。そのくらい今日の出来事は深く胸に刻まれている。

 今日の出来事を振り返りながら、体いっぱいに満ちた幸福感に浸っていれば、水の入ったコップを持った彰史が円香のもとへ現れる。彰史はそのコップを円香へと差し出してくれたから、円香は礼を言って受け取り、半分ほどを続けざまに飲んでから、テーブルへと置いた。

 冷たい水が体内に染み渡ると、円香は人心地ついて、もう一度小さくため息をこぼした。
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