妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
「彰史さん。今日は本当にありがとうございます」
「もう何度も聞いた」
「だって嬉しかったから。この素敵な服も、このネックレスとイヤリングも、それに別荘まで。全部全部嬉しかった。ふふふ。彰史さん、ありがとう」

 嬉しさがまったく消えなくて、円香はずっとにこにことしている。

「やっぱり少し酔ってるだろ」

 彰史は円香の頬に手を当ててくる。そのまま頬をすりっと撫でられると、気持ちよさから鼻に抜けた声が漏れる。

 彰史は円香の頬に手を当てたまま、柔く微笑んでいる。

「円香。誕生日、おめでとう」

 彰史のその言葉に、円香は喜びが溢れかえってしまって、飛びつくようにして彰史へと抱きつく。

「彰史さんっ」
「おっと。ははっ、円香から抱きついてくるなんて、やはり酔ってるな」

 彰史の言う通り、酔ってタガが外れているからこんな行動ができているのだろう。だが、酔っている円香にその自覚はない。さらに強く抱きつく。
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