妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
 彰史の言う通り、円香は確かに寝不足になっている。思い悩んでいるせいで。しかし、悩みが消えたわけではないから到底眠ることなどできない。

 それどころか一人きりになると不安でたまらなくなる。このまま自分のところへ帰ってこなかったらどうしよう、なんて変な思考まで湧きあがる。

 不安な気持ちはどんどんと膨れ上がり、円香は耐えきれなくなる。このまま家でじっとなんてしていられない。円香はとうとう家を飛び出した。

 急いで彰史を追いかける。今日一日彰史のそばから離れたくなかった。

 駆け足でマンションの外へと出れば、曲がり角に彰史の姿がちらりと見える。

 それを認識した円香はすぐに駆け寄って、彰史に声をかける。

「彰史さん。私も――」

 彰史の姿がはっきりと視界に入ると共に、衝撃の光景が円香の目に飛び込んでくる。
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