妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
「『ありがとう』なんて言わないで」
「え、どうして? お姉ちゃんも賛成してくれたんでしょ? だったら『ありがとう』じゃん。でも、お姉ちゃんもさ、朔也くんと――」
「何を言ってるの?」
麗香の言葉を遮り、詰めるように強い口調で返す。
麗香が発しようとした言葉は到底許されるものではない。この場にいる全員を傷つける言葉だ。
そんな言葉は聞きたくなくて遮ったが、麗香は平然と口にする。
「何って元通りに結婚し直そうって話でしょ? 彰史さんが話してくれたんだよね?」
円香も朔也も強く表情を強ばらせる。しかし、彰史だけは少しの動揺も見せないまま、ただ淡々と事実を突き返す。
「話したな。貴様に言い寄られて迷惑を被っていると」
「なんで? そんなこと言うなんてひどい!」
「どの口が言っている。最低限のルールすら守れない痴れ者が。厚顔無恥とはまさにこのことだな。あー、それを理解できるだけの脳が貴様にはないか」
その場を凍てつかせるほどの冷たい彰史の声音に円香は驚く。彼がこんなに冷ややかな言葉を発するのは初めてだ。いや、円香が聞いたことないだけなのだろう。きっとあの噂は、彼のこういう一面から来ているに違いない。
だが、彰史にそれを言わせたのは麗香だ。彼は理由もなく冷たい言葉を発する人ではない。
しかし、麗香はそれもわからない様子。
「ひどいっ。どうしていじわるなこと言うの? お姉ちゃんも何か言ってよ!」
「――よ」
少しも自分の行動を顧みない麗香に、円香は怒りの言葉を発する。けれど、あまりの苛立ちに声が震えて、上手く音に乗っていない。
「え? お姉ちゃん、何?」
「彰史さんの言う通りよ。恥を知りなさい」
「お姉ちゃん?」
麗香は困惑の表情を浮かべているが、円香は構わずに続ける。
「え、どうして? お姉ちゃんも賛成してくれたんでしょ? だったら『ありがとう』じゃん。でも、お姉ちゃんもさ、朔也くんと――」
「何を言ってるの?」
麗香の言葉を遮り、詰めるように強い口調で返す。
麗香が発しようとした言葉は到底許されるものではない。この場にいる全員を傷つける言葉だ。
そんな言葉は聞きたくなくて遮ったが、麗香は平然と口にする。
「何って元通りに結婚し直そうって話でしょ? 彰史さんが話してくれたんだよね?」
円香も朔也も強く表情を強ばらせる。しかし、彰史だけは少しの動揺も見せないまま、ただ淡々と事実を突き返す。
「話したな。貴様に言い寄られて迷惑を被っていると」
「なんで? そんなこと言うなんてひどい!」
「どの口が言っている。最低限のルールすら守れない痴れ者が。厚顔無恥とはまさにこのことだな。あー、それを理解できるだけの脳が貴様にはないか」
その場を凍てつかせるほどの冷たい彰史の声音に円香は驚く。彼がこんなに冷ややかな言葉を発するのは初めてだ。いや、円香が聞いたことないだけなのだろう。きっとあの噂は、彼のこういう一面から来ているに違いない。
だが、彰史にそれを言わせたのは麗香だ。彼は理由もなく冷たい言葉を発する人ではない。
しかし、麗香はそれもわからない様子。
「ひどいっ。どうしていじわるなこと言うの? お姉ちゃんも何か言ってよ!」
「――よ」
少しも自分の行動を顧みない麗香に、円香は怒りの言葉を発する。けれど、あまりの苛立ちに声が震えて、上手く音に乗っていない。
「え? お姉ちゃん、何?」
「彰史さんの言う通りよ。恥を知りなさい」
「お姉ちゃん?」
麗香は困惑の表情を浮かべているが、円香は構わずに続ける。