妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
 空港を出た円香と彰史はレンタカーに乗り、彰史の運転で視察先へと移動した。

 さすがに、視察の時間に円香が浮かれていては、彰史の邪魔になるだろうからと、円香は努めて大人しくしておく。

 視察先は住宅街にある古いアパートで、窓にかかるカーテンや室内から漏れ聞こえる生活音から、そこに幾人かの住人がいることがわかる。

 彰史はそのアパートの状態を一通り見てまわるが、それよりも周囲の環境を確認するのに時間をかけている。

 円香はそんな彰史にただ付いていくばかりであるが、真剣な顔つきで視察をする彰史の姿がかっこいいから、ちっとも退屈ではない。むしろ素敵な夫の姿を目に焼き付けるのに忙しかったくらいだ。
< 134 / 201 >

この作品をシェア

pagetop