妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
 宮崎での視察対象はどうやら一件だけだったようで、視察は予定通り午前中に終了した。大分のほうは明日確認することになっているから、このあとは宮崎観光の時間である。

 円香と彰史は昼食を済ませてから、観光先として円香が希望した高千穂へと向かい、まずは観光スポットとして有名な高千穂峡へとやってきた。

 そこは連休とあって多くの観光客でにぎわっているが、スケールの大きな渓谷を前にすれば、周囲のざわめきもさして気にならない。円香は全身でその大自然を味わう。

「自然を感じられる場所っていいですね。雄大で神秘的で。なんだか心が洗われる気がします」
「そうだな。円香はこういう景色を見たら、絵に収めたくなるんじゃないか?」
「ふふ、彰史さん、私のことよくわかってる。でも、ここだと他の人の邪魔になっちゃいますからね。今はしっかりと心に焼き付けておいて、あとで絵に描き起こします」
「そうか。それならしっかりと見ておこう」

 二人は遊歩道を歩きながら、その景色を存分に楽しむ。貸しボートにも乗って、下からの絶景まで堪能し、円香はその渓谷を味わいつくした。

 そして、高千穂峡を満喫したあとには、神話で有名な天岩戸神社にも赴き、そこでも非日常的な空間を味わう。

 一日動き回って体は随分と疲れているはずなのだが、自然からのパワーをもらったおかげか、一日を終えても、円香は不思議と力がみなぎっていた。
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