妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
「君に求婚することは孝之助さんから許可をもらっている」
「え……おじいちゃんが……?」

 孝之助が認めているという事実に、円香は急に自分の選択が正しいのかわからなくなる。

 だって孝之助はいつだって円香のことを想ってくれている。深い愛情で守ってくれている。そんな孝之助が、円香が不幸になる道を勧めるはずもない。

 喉元まで到達していた断りの言葉はすっかり消え失せてしまった。

「君が頷けば、俺たちの結婚を認めると仰ってくれたよ。信じられないなら孝之助さんに確認してみるといい」

 そんなすぐにばれるような嘘はつかないだろう。確認せずとも本当のことだとわかる。

「どうだ? 君もまだ先のことは決まっていないと聞いた。君にとっても悪い話ではないはずだ」
「……少し考えさせてください」

 円香はそれを言うのが精一杯だった。

「わかった。一週間後にまた来る。そのときに返事を聞かせてくれ」

 彰史はそれを言い残すとすぐに去っていった。
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