妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
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 彰史の案内が終わった段階で、時刻はまだ十五時過ぎ。買い物を済ませた円香は比較的余裕を持って、夕食作りに入る。

 彰史にはリクエストを訊いたものの、円香の得意料理でいいと言われてしまったから、円香はかえって頭を悩ませた。

 一般的な家庭料理なら平たくどれでも作れるが、突出して得意なものはない。これで彰史の口に合わないものでも出せば、彰史に主婦失格のレッテルを貼られてしまいそうだ。

 なんだか彰史から査定を受けているような気さえして、円香は初めて落ち着かない気持ちで料理をする。

 さすがにそれで失敗をするなんてことはないが、いつもよりも神経質になっていたから、随分と肩が凝ってしまった。
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