妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました～入れ替え婚!?～

「まあ、円香はしないだろうな」
「はい」
「俺もだ。それでどうする？　俺とセックスできるか？」

　彰史は二つの選択肢を用意してくれたけれど、現実的には否定の選択肢は取りづらい。きっと彰史に負い目を感じてしまう。

　それに円香の中には、彰史を拒絶したくないという気持ちもあった。

　この一ヶ月、彰史は円香との暮らしにおいて、間違いなく思いやりを持って接してくれていた。円香が新しい暮らしをつつがなく送れるよう、円香をいつも助けてくれた。最初の約束通り、結婚生活を維持するための努力をしてくれていたのだ。

　だから、円香もそれに応えたい。彰史の心遣いに報いたい。そんな思いが円香にはあった。二人の関係がいいものであるように自分も頑張りたかった。

　円香は一度目を閉じて深呼吸をすると、円香の中にはもう一つしか残っていないその答えを口にする。

「します」
「……本当に、いいのか？」
「はい」
「わかった。なら、こっちへ来い」

　ゆっくりと彰史のほうへと歩み寄る。ベッドとベッドの間は一メートルもない。数歩で彼の前へ到着する。

　彰史は円香の手を引いて自分のベッドへ導くと、その流れのままに円香を自分の下へと組み敷いた。