妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました～入れ替え婚!?～

　康弘に呼ばれた朔也は恥ずかしそうにしながらも、こちらへと歩み寄り、円香たちに挨拶をしてくれる。

　円香も父に挨拶をするよう促されるが、同年代の男の子と向き合うのはどうにも恥ずかしい。円香は父に半分隠れるようにしながら「こんにちは」と返した。

　そんな円香の様子に周りからは笑いがこぼれる。朔也も円香に向かってにっこりと微笑んでいるものだから、円香はとても照れくさかった。



　双方の親から二人で遊んでくるように促された円香と朔也は二人きりでリビングを離れる。

　初対面の男の子と二人きりの状況に、円香はそわそわと落ち着かなかったけれど、それも最初の数分だけであった。素敵な家の中を朔也がいろいろと案内してくれるから、すぐに緊張は解けて、いつの間にやら朔也の案内に夢中になっていた。

　朔也も自慢の家を紹介するのが楽しいようで、キラキラとした笑顔であれこれと円香に教えてくれる。朔也は円香に「何が見たい？」「何がしたい？」と優しく問いかけ、円香の気持ちを優先してくれるから、あっという間に円香は朔也に心を許した。