妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
 それから円香は願書提出など、専門学校への入学へ向けて慌ただしく動きはじめた。何しろすでに二月も半ばに入っていて、下手をすれば一年待ちぼうけを食らいかねない時期だったのだ。どうにか滑り込めるようにと円香は急いだ。

 幸いにも円香が出願したところは定員には達していなかったらしい。無事に翌年度の入学が決定。四月には、学生としての生活も始まり、円香の人生は輝きだした。

 大好きな絵を学び、優しい彰史と暮らす日々。本当に毎日が幸せで、すべてが上手くいっていると円香は思っていた。順風満帆だと。


 しかし、円香にはまだ一つだけ向き合えていないことがあって、それが故に円香が深い後悔を抱くのは、新しい人生が始まって間もなくのことであった。
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