妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
 彰史が手配してくれていたハイヤーに乗り込み、次に二人が向かった場所は美容室。

 美容室に行くことも事前に知らされていたから驚くことはしない。

 「うんときれいにしてもらってこい」と彰史に送り出されて、円香はヘアセットをしてもらうために美容師のもとへ。

 普段はそのまま下ろすか、邪魔なときは後ろで一つに括るだけでいることが多い円香。

 今日は美容師にお任せだが、さすがはプロなだけあって、今の円香に合う髪型にしてくれる。

 髪を巻いた上で編み込みのアップスタイルという自分ではなかなかできそうもないアレンジをしてもらった。本当に美しい仕上がりである。

 出迎えてくれた彰史の表情もとても柔らかくて、よく思ってくれているのがわかる。

「円香。きれいだ」

 円香は頬を染めて「ありがとうございます」と礼を言う。照れくさくてたまらなくて、円香は少し視線を下げながらはにかんでいた。

 彰史はそんな円香に向けて腕を差し出してくれる。そこに手を添えれば、「最後の仕上げに行こうか」と言われて、二人は次なる目的地へと向かった。
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