妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
「パールで合わせたほうがまとまりがあっていいだろうな」

 店員が見繕ってくれたもののうち、パールのついたイヤリングを試しに合わせていく。

 彰史の言った通り、ネックレスとの相性がとてもよく、どれを着けても調和がとれている。

 中でも最後に着けた一つが円香と彰史を唸らせた。

「バランスがとれていていいな。少し揺れるのもいい。円香の優しい雰囲気に合っている」

 先端のパールがチェーンで繋がっていて、軽く揺れるデザインになっている。とはいえ、全長が三センチ弱ほどであるから主張が強すぎることもない。

「私もこのイヤリングとても好きです。すごくかわいいですね」
「ああ。本当にかわいいし、美しい。きれいだな、円香」

 じっと目を見つめてそんなことを言われたら、舞い上がってしまう。

「……ありがとうございます。イヤリング、これにしたいです」
「ん、そうしよう」

 ネックレスに続き、イヤリングもあっさりと決まった。


 こんなにも高価なものをたくさんプレゼントされて恐れ多い気持ちはあるが、彰史がとても満足そうにしているから、円香は素直に喜んですべてを受け取った。

 彰史に選んでもらった素敵なものを身に着けて、さらにはそれを褒めてもらって、気分はまるでお姫様である。ずっとふわふわとして夢見心地だ。

 これで今日のデートが終わっても大満足だが、デートはまだ終わらない。円香たちはようやく最終目的地のフレンチレストランへと移動しはじめた。
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