「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 あの日、捨てられたエレオノールは何日も森をさまよった。

 葉に溜まった朝露や、時には土に染み出た泥水をすすり、木の根をかじって飢えを凌ぎながら、森の向こうにあるベルグ帝国を目指そうとしたが、大人ですら不可能な道のりを七歳の身体でこなすのは当然無理がある。

 屋敷を追い出されてからの日にちを数えるのも忘れ、温かな寝床と食べ物のことばかり考えるようになった頃、彼女は死の森に似つかわしくない清流を発見した。

 土臭い水を飲まずに済む。もしかしたら魚がいるかもしれない。そうしたらお腹いっぱいご飯が食べられる……。

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