「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「どうしたんだ、ラス。いったいなにがあった?」

「ごめんなさい……」

 話にならないエレオノールの尋常ではない様子を見て、ジークハルトは悩んだ末に彼女の身体を抱き締めた。

「もう大丈夫だ。怖かったな」

「う……うぁ……ふぇ……」

 エレオノールはジークハルトの胸に顔を埋め、声にならない声をあげてすすり泣き始める。

「泣きたいだけ泣け。そばにいてやるから」

「ふ、うぅ……」

 身体を震わせて泣くエレオノールの背中を撫でるジークハルトは、無意識に厳しい表情を浮かべていた。



◇ ◇ ◇



「今は寝かせてやれ」

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