「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 ベッドにエレオノールを寝かせたジークハルトは、そのお腹に飛び乗ろうとしたリュースをすんでのところで止めた。

 両脇を抱えられたリュースは不思議そうな顔をしていたものの、それならそれでと言わんばかりにジークハルトにすり寄る。

 そしてすぐ、その胸もとがしっとりと湿っていることに気づいて首を傾げた。

「あみゃ?」

「気にするな」

 ジークハルトは椅子を引き寄せてベッド脇に座ると、泣き疲れて眠るエレオノールに目を向ける。

「お前、ここでどんな生活を送っていたんだ」

 問いかけられたリュースがまた首を傾げる。

「みゃあ、みゃあ」

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