「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる～溺愛されて聖女の力が開花しました～

（それに、以前より痩せ細っている）

　ジークハルトは今までに三度、エレオノールを抱き締める機会があった。

　最初の二度はやわらかさとたおやかさに動揺しただけだったが、今回はそんな気持ちにもなれないほど、不穏な変化を感じ取っている。

　顔を見ても、異様なほど頬が痩せこけているといった見た目の変化はない。しいて言うならば、少し顎の線がほっそりした程度か。

　しかし抱き締めると異変が際立った。

　もともと細身だったのが、吹けば飛びそうなほど弱々しくなっており、握った手にも力がない。

（それほど子竜の世話が忙しかった……というわけではなさそうだな）