「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 それはドラゴンによる災害から守ってもらったという意味であり、その後の八年を生き延びられたという意味でもある。

 エレオノールは十八年の人生で二度、『死んでしまいたい』と思ったことがあった。

 一度目は父に捨てられた挙句、川に流された時。

二度目はドラゴンの強襲によってテレーを失った時だ。

(本当は、今だって)

 優しい育て親のあとを追いたいという気持ちがないでもないが、それでも前向きでいられるのは、そのテレーの言葉が胸に刻まれているからだった。

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