「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
ずっと居場所が欲しかった
ジークハルトが目覚めたのと引き換えに、”ラス”はこんこんと眠り続けた。
それを放っておけるはずもなく、ジークハルトは自身の予定を削ってまで彼女のために手を尽くす。
エレオノールが寝込んで三日、意識はないながらもようやく食べ物を受け付け始めた彼女を気遣い、ジークハルトは普段ならば決して足を運ばない厨房へと出向いた。
「殿下!? なぜこのような場所に?」
城主が現れたと知り、厨房にいた料理長が慌てて飛んでくる。
身分の高い者が使用人のもとに足を運ぶことは基本的にないといっていい。
青くなった料理長の顔には、なにかしてしまったのだろうかという不安が浮かんでいた。