「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる～溺愛されて聖女の力が開花しました～

「……なに？」

　そんな話は耳にしたことがないと、ジークハルトは訝しげに眉根を寄せる。

「先日も食事の量を増やすようにと仰いましたね。ですが、結局食べないようだからと元の量に戻せとも伺っております」

（どういうことだ？）

　先日、たしかにジークハルトは自ら料理長に命令を下しに向かった。

　倉庫から助け出した時のエレオノールの痩せ細った様子を見て、食事の量を考えるべきではないかと考えたためだ。

（元の量に戻せという指示は出していない。……いったい、誰がそんなことを）

「……ひとまず、しばらくは量を増やしてくれ」