「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 そしてよほどのことがない限り、一度確認をしに来いなどという話にはならない。

 それは、雇われた使用人たちを信用していないと言っているのと同義である。

 その戸惑いを料理長の表情から感じ取り、ジークハルトは苦笑した。

「誤解するな。最近、騎士団のほうで意図を取り違えたことによる問題が発生してな。そういったことがないよう、確認を徹底していこうと判断したまでだ」

「なるほど、そういうことでしたか。失礼いたしました」

「いや、いい。引き続きよろしく頼む」

 ジークハルトは背を向けて厨房を出ると、すぐに険しい表情に変わった。

(何者かが、ラスを苦しめるために俺の命令を歪めている)

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