「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる～溺愛されて聖女の力が開花しました～

　気持ちのいい朝日をいっぱいに浴びながら、エレオノールはまぶたの上に手を当てて目を細めた。

　テレーと別れ、彼女から教えられていた『人間避けの魔法』が届かない道を通って森を抜けたエレオノールは、今、ベルグ帝国にある辺境の小さな村で生活している。

　奇妙な鈍色の塊を手に現れた彼女がそれほど邪険にされなかったのは、テレーの家から持ち出した薬を分け与えたおかげだ。

　たまたま流行り病に苦しんでいた村人たちは、エルフお手製の薬によってあっという間に完治し、エレオノールが村に住むことを許した。