「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
そして一番きれいに咲いている場所を見つけ、花を傷つけないよう気をつけながら卵が入ったカゴを置く。
黄色やピンク、白や水色といった花の中に、ごろんと大きな鈍色の卵があるのはどうにも奇妙な光景だったが、エレオノールにとっては見慣れた景色だ。
「早く出ておいで。卵の中じゃ、この香りまでは感じられないでしょ?」
エレオノールは卵のそばに座り、少しざらついたその表面を撫でて言う。
春の風が吹き抜けると、ふわりと甘い花の香りがエレオノールの鼻孔をくすぐった。
花びらを散らした極彩色の世界の中で、育て親が『ラス』と呼ぶ声が脳裏によみがえる。
「あなたの名前も考えておきましょうね」
黄色やピンク、白や水色といった花の中に、ごろんと大きな鈍色の卵があるのはどうにも奇妙な光景だったが、エレオノールにとっては見慣れた景色だ。
「早く出ておいで。卵の中じゃ、この香りまでは感じられないでしょ?」
エレオノールは卵のそばに座り、少しざらついたその表面を撫でて言う。
春の風が吹き抜けると、ふわりと甘い花の香りがエレオノールの鼻孔をくすぐった。
花びらを散らした極彩色の世界の中で、育て親が『ラス』と呼ぶ声が脳裏によみがえる。
「あなたの名前も考えておきましょうね」