「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「管理下にある者たちは信用できると思っていたが、そうではなかったらしい。今日まで受けた様々な仕打ちに対して、これから可能な限り埋め合わせを行うつもりだ。本当に申し訳なかった」

 城で生活するすべての人間の行動を把握するのは酷だろう。

 ジークハルトにも自分の仕事があり、エレオノールばかりにかまけている時間はない。

「そんな、本当に大丈夫です」



「いじめられたのに、よく大丈夫などと言えるな」

「いじめられていたと思っていませんから。大変な仕事だとは思っていましたが」

 エレオノールの困惑した表情から、嫌味や皮肉の類ではないとわかったのか、ジークハルトの口もとに苦い笑みが浮かぶ。
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