「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「どうやらお前は、俺が思う以上に世間知らずらしい」
「言っておきますが、皇子様に仕えるメイドの仕事なんて、知らない人のほうが多いと思いますよ?」
つい言い返したエレオノールがはっとした様子で口をつぐむ。
「……すみません」
「面と向かって言い返してきたかと思ったら、つらいことは言わずに呑み込む。これからはどんなことだろうと俺に言え」
「どうしてですか?」
所在なげに身じろぎしたエレオノールが困惑を滲ませた。
「なぜ、そんなに私によくしてくださるんですか?」
もう一度問うたエレオノールに、ジークハルトが考え込む。
そして軽く肩をすくめて言った。