「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「これまでの仕事がふさわしくなかったと言うなら、新しい仕事をいただけませんか? 少しでもあなたの力になりた――」

 言いかけたエレオノールが不意に口をつぐむ。

(……『あなたの力になりたい』?)

 仕事を求めているのは、あくまで待遇と比例しないからであってそれ以外に理由はない。

 だというのに咄嗟に言いかけたそれは、明らかに『それ以外』の理由を匂わせている。

「みゃあ!」

 動揺を誤魔化してくれたのはリュースの不満げな鳴き声だった。

 どうしてもボタンが欲しいらしく、手足をばたつかせて暴れている。

「こら、リュース。わがままを言わないの」

「みゃあああ」

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