「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 ジークハルトは間違いなくエレオノールの居場所になってくれたし、ふたりで話したり、一緒にリュースの相手をしたりする時間は幸せだった。

 だが、いつまでもこんな日々は続かない。

 エレオノールは故郷を失った身寄りのないただの女で、ジークハルトは疎まれているとはいえベルグ帝国の第二皇子なのだから。

(この人を自分の居場所にしちゃいけなかった)

 隣にジークハルトがいるというのに、ひとりぼっちになったように錯覚する。

 だからエレオノールは貴賓の紹介が終わって、本格的にパーティーが始まってもすぐには動けなかった。

「ラス」

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