「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「パンの残りがあったらいただきたいんです。最近、リュースが本当によく食べるようになって」

「そういうことなら持って行きな。ジャムサンドにしなくていいのかい?」

「ええ、大丈夫です。ありがとう」

 急いでいるので、とは言わずに礼を伝えると、厨房の奥へ通される。

 余ったパンが積まれたそこには、何人かのメイドたちが雑用をこなしていた。

 その中には以前、エレオノールを倉庫に閉じ込めたそばかすのメイドもいる。

「すみません、いただいていきますね」

 エレオノールが声をかけると、メイドたちが一斉に振り返った。

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