「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 ためらいや戸惑いの気配を感じるが、メイド長がいた時のように敵意や嫌悪といったものは感じない。

「どうするの、それ」

 使い古した布にパンをのせていると、横からそばかすのメイドに話しかけられる。

 てっきりいないものとして扱われるのだと思っていたエレオノールの背筋に冷たいものが走った。

「リュースに……ドラゴンの子どもにあげるんです」

「ふうん、まだ面倒を見てたんだ」

「てっきりもう竜舎に預けたのかと思ってたわ」

「私もそう思ってた。違うのね」

 ひとりが話しかけたからか、ほかのメイドたちも寄ってくる。

(この展開は予想してなかった)

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