「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 うろたえるエレオノールだったが、メイドたちの次の行動はさらに予想外だった。

「ほかにも残りものがあったでしょう。持ってきてあげる」

「干し肉も残っていなかった? ああいうの、ドラゴンなら喜ぶんじゃない?」

(……え?)

 メイドたちがわらわらと集まり、簡易倉庫からああでもないこうでもないと食べ物を取り出しては、木のテーブルに並べていく。

「あの、どうして……」

 立っているだけで出発のための食糧が揃っていく状況に困惑していると、そばかすのメイドが決まり悪そうに言った。

「前に閉じ込めたこと、本当に悪かったと思ってる。仕送りを減らすと言われてどうしようもなかったの」

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