「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「見つけた時は先にエルに贈る」

 竜騎士とドラゴンの軽妙なやり取りを間近で聞いていたエレオノールがくすくす笑った。

 それがうれしかったのか、リュースも機嫌よく喉を鳴らしている。

「なにを笑っているんだ?」

「ふたりがおもしろくて。仲が良くて羨ましいです」

『つがいのほうがもっと仲良くなれるじゃない。いつ子どもを見せてくれるの? 今のうちにお祝いを考えてあげる』

 ジークハルトの腕の中で露骨にエレオノールの身体がこわばった。

 金髪から覗く耳がまた赤く染まっている。

「そういうのは、あの……結婚してからの話ですし、ジークの意思も尊重しないと……」

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