「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 半壊した城の隙間から疲れ切った様子で出てきたリュースは、自分のしでかしたことも気に留めずシュルーシュカの翼の下で眠っている。

 しかしエレオノールとジークハルトは、まだ服も乾ききっていないというのに言い争っていた。

「頼むからおとなしくしていろ」

「今は私の力が必要なはずです」

 強い瞳でジークハルトを見つめ返し、エレオノールは一歩も引かずに言う。

「お前は既に大変な目に遭った。リュースが怒りで暴走するほどのこともあったんだろう。そんな状況でこれ以上、力を使う必要はない」

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