「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 ジークハルトがそれ以上に言いたがっている気配を感じ、エレオノールは目を伏せた。

 人々を回復してまわった結果、三日寝込む羽目になった。

 そんなエレオノールを起こしたのは、やきもきしながら毎日世話をしていたジークハルトだ。

 目が覚めてすぐに説教が始まったものの、結果的にジークハルトはエレオノールの行為を褒めるしかなかった。

 エレオノールが手助けする人々に『第一皇子の冗談であって、本当はジークハルトの婚約者なのだ』と説明したことで、忌々しい誤解が解けたからだった。

「何度も伝えたが、その件でお前に頼みがある」

「お断り致します」

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