「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「また、同じことをするかもしれないんだぞ」

「しないかもしれません。こんなひどい目に遭うとわかったわけですし」

「考えが甘いんじゃないのか」

「それでも、やれることがあるならさせてください」

 そう言ってエレオノールは自分の手を見下ろした。

「私の力は自分を癒やすためではなく、人を癒やすために使えと言われました。役に立てるなら、こういう形で役立てたいです」

「……お前が頑固だと忘れていた」

 あきれたように息を吐くと、ジークハルトは顔をしかめたまま皇帝に言った。

「ハインリヒのもとに案内してください」



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