「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 怪我自体は大きかったものの、かつてジークハルトがそうだったように命に別状があったわけではないからなのか、エレオノールは倒れることなく治療を終えられた。

 ベッドから起き上がったハインリヒは、信じられないものを見る目で自分の手を見てから、治癒を施したエレオノールに目を向けた。

「なぜ……」

「あなたが私になにをしようとしたか、永遠に忘れません。でも、あなたもその結果なにが起きたかは一生忘れないでしょうから」

「だからといって……。俺を憎んでいるんじゃないのか?」

「……憎んではいないんです。本当に。許せないだけで」

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