「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 真面目に答えたエレオノールの後ろで、ジークハルトが苛立たしげに鼻を鳴らす。

「忘れないこと、もうひとつありました。ジークとシュルーシュカさんを侮辱したことと、これまでひどい扱いをしてきたことです」

「それはふたつだ」

 ジークハルトが思わずといったように言う。

「だいたい一緒だからいいんです」

 反論してから、再びエレオノールはハインリヒと見つめ合った。

「兄弟で仲良くしろとは言いません。きっとあなたにも理由や事情があったんだと思います。だけどもう、ジークにはなにもしないでほしいんです」

「……なにもしない、とは言えない」

「また殺しに来るか? 皇妃と一緒に」

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