「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「逆に考えてみろ。皇妃とハインリヒは、散々憎んできた相手になにもかも奪われることになるんだ。俺がこの国で幸せになればなるほど、復讐になる」

 エレオノールはなにか言おうとして、結局なにも言わず呑み込んだ。

 本当に復讐を望んでいたのかどうか、真実を知っているのはジークハルトだけだ。

「俺はお前程度に傷つけられるような男じゃない。丈夫だからな」

「……そんな冗談を言われても笑えませんよ」

「ハインリヒの件も、結局第二皇子でいなければならない件も、話すのはここで終わりだ。過去よりも未来の話をするほうが生産的だと思わないか?」

 エレオノールは悩んだ末にうなずいた。

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