「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
『この年で子育てをすることになるとは思わなかったけれど、悪くないわ』

「お願いしてもいいですか? 癒やしの古代魔法なら教えてあげられるんですが……」

『私たちに癒やしの術なんて必要ないわよ』

 あらゆる生物の頂点に立つ存在だから、という傲慢さが見え隠れする。

 エレオノールは少し笑ってから、すぴすぴ鼻を鳴らすリュースの頭を撫でた。

「私、ドラゴンは炎を吐く生き物なのだと思っていました。でも違うんですね」

「シュルーシュカは雷だな。リュースは――」

『毒と、酸ね』

 それだけ聞くと、炎で燃やし尽くすよりもよほど邪悪な生き物に思える。

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