「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 しかし眠るリュースはとても恐ろしい存在に見えない。

『この子はこれからもっとあなたたちを驚かせるわ。だけどどんな時でも味方でいてあげて』

「ええ、もちろんです」

『それでこそお母さんね。……お父さんの返事は?』

「言わなければわからないほど、俺との付き合いは浅くないだろう」

『そういうの、つがいの前で言うのはどうかと思うわよ。人間ってそんなに浅慮なの? それともジークが残念なだけ?』

 からかうシュルーシュカの腹を、ジークのかかとが抗議するように蹴る。

 まったく堪えた様子なく笑ったシュルーシュカにつられ、エレオノールも口もとを手で隠した。

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