「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「落ちないとしても、怖いから手は離さないでくださいね」

 すっかり油断してはにかんだエレオノールに、ジークハルトが素早くキスをする。

「エル。改めて――俺の妻になってくれ」

「はい、喜んで」

 勝手に頬が緩むのを堪え切れず、エレオノールは前を向いた。

 代わりにジークハルトに身体を預け、そのぬくもりに浸る。

(ここが、私の居場所)

 遠くに特徴的な街が見える。

 これからはルストレイクが、エレオノールにとっての故郷となるのだった。
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