「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
エピローグ
例年よりも多い降雪に振り回され、城の復旧にはずいぶんと時間がかかった。
熟練の職人や魔法使いたちの手によって、かつてほどとは言わずともかなり元の姿を取り戻した城に、今日は大勢の人が集まっている。
ベルグ帝国各地の街はお祭騒ぎだった。
大通りに並ぶ屋台は数えきれず、子どもたちは笑顔で花を振りまいている。
今日はエレオノールと、次期皇帝として発表されたジークハルトの結婚式が行われるのだ。
「こら、リュース!」
美しいウエディングドレスにまとわりついて、装飾された宝石にかじりつこうとしたリュースを止める声があった。
「みゃあ」
「みゃあ、じゃありません!」