「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 先日、シュルーシュカが突然エレオノールに念話を飛ばしたことを思い出し、首を傾げる。

『リュースは頭がいいわ。そのうち、おもしろいことになるわよ』

 意味深な発言も、どうでもいいことを秘密にしたがるのも、よくあることだとジークハルトは言っていた。

 だが、エレオノールにはなんとなく引っかかりを覚えている。

(おもしろいこと……)

 テーブルに飛び乗ったリュースが鏡をじっと見つめる。

 置かれた装飾品や化粧品にいたずらされる前に抱き上げると、それとほぼ時を同じくして扉を叩く音がした。

「どうぞ」

 エレオノールが相手を促すと、正装に身を包んだジークハルトが入ってくる。

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