「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「あれもずいぶん前になるな。まさか俺の捜していたエルがこんなに近くにいるとは思わなかった」

「あの時はお騒がせしてすみません。いきなり会場を飛び出したりして、困らせてしまいましたよね」

「いや、ちょうどよかった。ラフィエット伯爵がうるさかったからな」

 その名前を聞いても、エレオノールの心臓は少し跳ねただけだった。

「そういえば求婚されたと聞きましたが……」

「……誰だ、お前の耳に入れたのは」

 ジークハルトは溜息を吐いて、リュースがいるテーブルにもたれた。

 おとなしく様子を見ていたリュースがすかさず袖のボタンに噛みつこうとするも、それをうまくあやして対処する。

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