「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「もしまた倒れたら助けに行く。……いや、倒れる前に迎えに行く」

 そう言うと、ジークハルトはなぜここへ来たのかを思い出し、持っていた細長い箱をテーブルに置いた。

 またリュースが飛びつこうとしたのを止める。

「それは?」

「これだけは俺の手で渡したくてな」

 箱を開くと、見事な翠玉の首飾りが現れる。

 この世のものとは思えないほど透明感のある石を、ぐるりと金剛石が飾っていた。

 鎖の部分は金色だったが、エレオノールの髪色に負けない存在感を放っている。

 エレオノールは自分の瞳よりも大きい美しい緑色を見て、思わず感嘆の息を漏らした。

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