「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「今日のために用意させたものだ。この石は、永遠にお前の胸しか飾らない」

 感動に打ち震えるエレオノールの背後に立ち、首飾りをつける。

 ジークハルトが再びエレオノールの前に戻ると、最初からそこにあったかのように馴染んだ首飾りと、泣きそうな顔で喜ぶ妻の顔があった。

「こんな素敵なもの……」

「お前の瞳にはかなわない」

 そう囁いて、礼を言われるよりも早く唇を塞ぐ。

 エレオノールは驚いた顔をしてから、咎めるようにジークハルトの胸をつついた。

「……まだ早いですよ」

「後で二回すればいい」

「どういう理屈ですか……?」

「みゃあ」

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