「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「もうリヨンには戻ってくるんじゃない。……運があれば、誰か優しい人が助けてくれるだろう」

 エレオノールは男の示した先を見て、ひくりと喉を鳴らした。

 不安げな表情には『捨てないで』とはっきり書かれていたが、それを叶えてくれる人は残念ながらどこにもいない。

「も、もう夜になります。それに森は危ないところって本に書いてありました。狼とか、魔物とか、それから……ドラゴンがいるかもしれないって」

「それでも行かなきゃならないんだよ。君はもうあの屋敷に戻れないんだから」

「でも……こ、怖いです……」

「……俺を恨んでくれていいから。ごめんな」

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