「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 再度鳴いた子竜に鼻を寄せると、シュルーシュカがグルルと喉を鳴らす。

 それを聞いたジークハルトは、子竜を抱えたまま片眉を引き上げた。

「なんだと? 騎士団で見ればいい。これまでもそうだった」

 エレオノールはしっかりとジークハルトの服を掴みながら、しばらく治まりそうにない震えを懸命に押さえ込んで立ち上がる。

(この人、ドラゴンと話している……)

 その証拠に、ジークハルトはエレオノールではなくシュルーシュカを見ていた。

 そうはいっても、エレオノールに対しての警戒は一瞬も緩めない。

「いったいどういうつもりだ。お前がそんな口出しをするなんて」

 ドラゴンがくっくと笑う。

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