「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「ドラゴンに騎乗したのは初めてだろう。初心者は騎乗中に必要ない力を入れすぎて、地上に降りてからも身体がこわばったままになる」

「……そうなんですね」

「そのままでいると後を引くからな。筋肉が変に固まる前に、無理矢理でも動いたほうがいい」

「親切に説明をありがとうございます」

 ほんのり皮肉を込めて言っておく。

 エレオノールは子竜を奪おうとする敵の手を借りねばうまく歩けないことを悔しく思いながら、渋々足を進めた。

 ルストレイクの門をくぐると、堅牢な壁から感じる威圧感からすると意外なことに、街は大層賑わっている。

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