「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 痛ましい姿のエレオノールを見ていられなくなったのか、門衛は再び馬に騎乗すると、わき目もふらずもと来た道を戻っていった。

「待って……!」

 追いかけようとしたエレオノールだったが、年老いているとはいえ馬の脚に追いつけるはずがない。

 少し走ったところで息が切れてしまい、その場に立ち尽くしてしまった。

「っふ……う、ぇ……」

 小さく握り込んだ手で目をこすりながら、エレオノールは再び泣きじゃくる。

「お母さん……お父さん……」

 後妻は屋敷に来た当初からエレオノールを嫌い、邪険に扱った。

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