「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 怒りと羞恥で真っ赤になっているエレオノールと違い、ジークハルトは涼しい顔をしていた。

「この街の民の多くは竜騎士団の身内だ。だからお前が妙な真似をしようと、俺のひと言ですぐ動く。乱暴に扱われたくないならおとなしくすることだな」

「ご忠告ありがとうございます。街の人を全員動員させられるなんて、さすが皇子様ですね」

 トゲを込めて返すと、ジークハルトが微かに目を見開いた。

「いつから知っていた?」

「否定はしないんですね。姓を聞いた際にもしやと思いましたが、本当でしたか」

「第二皇子であることは確かだ。だが、街の者が俺の声を聞くのは皇子だからではなく、竜騎士団の団長だからだ」

< 81 / 530 >

この作品をシェア

pagetop